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March 12, 2026

小紅書のユーザーは何者?「爆買い世代」の次にやってきた中国の新しい消費者

爆買い世代とは価値観も消費行動も異なる、小紅書を使う新しい中国の若者とは何者か。都市Z世代、精致妈妈、単身貴族など6つのユーザー層をデータで解説。日本ブランドが「刺さる」理由も明らかにします。

小紅書のユーザーは何者?「爆買い世代」の次にやってきた中国の新しい消費者

「中国人観光客」と聞いて、日本人はどんなイメージを持つでしょうか。

スーツケースいっぱいに家電や化粧品を詰め込む、あの「爆買い」のシーン。2015年前後に話題になったこの現象を記憶している人は多いはずです。

でも、あの爆買いを担っていた世代は今や40代に差し掛かっています。小紅書を使い、そこで消費行動を決めているのは、まったく異なる価値観を持つ新しい世代です。

今回は、小紅書のユーザーが実際にどんな人たちなのかを、データを使って具体的に解説します。

まず数字で見る:小紅書ユーザーの基本プロフィール

千瓜データが発表した「2025年活躍ユーザー研究報告(小紅書プラットフォーム)」によると、小紅書の月間アクティブユーザーは現在3億人。そのプロフィールはかなり明確です。

男女比:女性70%、男性30%

年齢層:18〜34歳が全体の約80%を占める     - 2000年代生まれ(Z世代):43% - 1990年代生まれ(ミレニアル世代前半):36%

居住地:北京・上海・深センなど一線都市+新一線都市が全体の66%

さらに注目すべきは、ユーザーの日常利用の深さです。小紅書の1日あたりの平均利用時間は前年比12%増で伸び続けており、ユーザーが1日に開くアプリ頻度は平均で1日あたり8〜10回とも言われています。

単純に「若い女性が多い」ではなく、「可処分所得があり、情報感度が高く、毎日使っている若い都市部女性」がいるプラットフォーム、というのが正確な理解です。

「爆買い世代」と何が違うのか

2010年代の爆買い消費者と、今の小紅書ユーザーを比べると、消費行動の質がまったく異なります。

爆買い世代の特徴:

「有名なものを大量に買う」

価格よりブランド名を重視

日本製=高品質という一括りの信頼

今の小紅書ユーザーの特徴:

「自分のライフスタイルに合ったものを選んで買う」

価格と品質の両方を徹底的に調べる(「質価比」と呼ばれる)

なぜそのブランドが良いのかを理解した上で購入する

たとえば化粧品ひとつ買うにも、小紅書でレビューを読み、成分を調べ、同じ肌タイプの人の体験談を参考にしてから決める。このリサーチ行動は、日本の消費者にも通じる慎重さです。

だからこそ、小紅書では「ブランド名の押しつけ」ではなく、「なぜこれが自分に合っているか」を伝えるコンテンツが強く支持されます。

6つの顔:小紅書ユーザーの人物像

なぜ日本のブランドが「刺さる」のか

小紅書の中でも、日本の商品・文化への関心は根強くあります。その理由はいくつかあります。

まず、日本製品への「品質信頼」は今も健在です。成分が明確で、品質管理が徹底されているというイメージは、情報収集に熱心な小紅書ユーザーにとって説得力を持ちます。

次に、日本の「生活美学」が小紅書のユーザー感性と合う点があります。「無駄を省いたシンプルな美しさ」「丁寧に作られた日常品」「静かで落ち着いたライフスタイル」—こうした日本的な世界観は、今の小紅書で人気の「低欲望」「静かな生活」「内面の充実」というトレンドと重なっています。

また、訪日経験のあるユーザーが増えていることも大きな要素です。旅行で日本を訪れ、実際に商品を体験したユーザーが小紅書に投稿する。その投稿が次のユーザーの購買意欲につながる。この口コミの循環が自然に生まれやすい環境にあります。

「週三、週日に最もよく開く」という事実が示すもの

千瓜データの調査によると、小紅書のアクセスが最も多い曜日は水曜日と日曜日です(それぞれ全週の15.43%、15.20%)。

水曜は週の中間で、仕事や生活のちょっとした息抜きに使う時間帯。日曜は週末の計画を立てたり、ショッピングを楽しんだりする日。

このことは、小紅書がすでに「特別な使い方をするアプリ」ではなく、「日常の中に溶け込んでいるアプリ」になっていることを示しています。ブランドにとっては、「消費者の日常に入り込める場所」という意味で、非常に価値の高いポジションです。

誰に届けたいかが、コンテンツのすべてを変える

ここまで読んで、「自分たちの商品はどのセグメントに向いているか」という問いが自然に浮かんでくると思います。

それはとても重要な問いです。小紅書は3億人の巨大プラットフォームですが、そこで成功しているブランドのほとんどは、「3億人全員に向けて発信する」のではなく、「この500万人に深く刺さる内容を届ける」という設計をしています。

ターゲットが明確になれば、どんな言葉を使うか、どんな場面を見せるか、どんな問題を解決するコンテンツを作るかが、自ずと決まってきます。