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October 19, 2025

動画に活かすナレーション——効果的な使い方と3つの収録方法

動画は視覚と聴覚の両方を使うぶん、短時間で伝えられる情報量が多いのが強み。一方で「ながら見」が増え、音だけ聞くユーザーも少なくありません。聴覚で情報を届けるナレーションがあれば、どんな状況でも伝わります。ナレーションが効く場面と不要な場面、そして自分・機械音声・プロという3つの収録方法を解説します。

SNS投稿や広告をはじめ、ビジネスのあらゆる場面で動画を使う機会が増えた。視覚と聴覚の両方を使う動画は、画像や文章より短時間で伝えられる情報量が圧倒的に多いのが強みだ。だが動画の見方は多様化し、必ずしも集中して見てもらえるとは限らない。別アプリを開きながらバックグラウンド再生したり、ラジオ感覚で音だけ聞きながら家事やゲームをしたりする「ながら見」が増えている。

どんな状況でも情報が伝わるようにするには、映像やテロップなどの視覚情報だけでなく、聴覚で届けるナレーションを入れると効果的だ。本稿では、ナレーションが効く場面と不要な場面、そして3つの収録方法を解説する。

ナレーションが効く場面、不要な場面

すべての動画にナレーションが要るわけではない。登場人物が直接セリフを話す動画や、セミナーのように話す内容がメインの動画には、別途ナレーションは不要だ。認知度が高い、あるいは見た目が重要な商材では、あえて映像とBGMだけにして雰囲気でブランドイメージを伝えることもある。ナレーションは映像を補足する役割として、使い方を紹介する、場所や心情など状況を説明する、お得な情報やアピールポイントを強調する、といった目的で使うと効きやすい。「テロップを入れたい箇所にナレーションも足す」と考えると分かりやすい。ではテロップと同じ内容なら、なぜ声まで入れるのか。2つのメリットがある。

第一に、映像だけより内容を理解しやすくなる。映像だけで理解するには目を離せず集中が要る。字幕の海外映画を、その言語を知らずに見ていると、目を離した途端に内容が分からなくなる——あの感覚だ。ナレーションがあれば耳からも情報が入るので、「ながら見」している人にも伝わりやすい。

第二に、声のトーンで印象が変わる。人はコミュニケーションで次の割合の影響を受けるとされる(メラビアンの法則)。表情や動きなどの「視覚情報」が55%、口調やテンポなどの「聴覚情報」が38%、話の内容などの「言語情報」が7%。何を伝えるかが最も大切だが、見た目や声のトーンは内容を理解するより早く印象を左右する。「今だけ、なんと全品10%オフ!」と抑揚のある高い声を聞くと、内容を理解する前に「なんだろう」と注目してしまう。あえて抑揚を抑えてUGC風にしたり、落ち着いた声でゆったり話して高級感を出したり——口調やテンポという聴覚情報を足すことで、動画の印象を変えられる。

自分で録音する

自分で録音する方法は手軽で費用もかからないが、読み上げのスキルが要る。なるべく費用や時間をかけたくない人、クオリティより生活者視点の日常感ある動画を目指したい人に向く。

まず原稿を用意する。原稿なしで始めると、よほど話し上手でない限りまとまらない。難しい言葉を避け、一文を短くし、映像を見ながらどのタイミングで何を入れると伝わるかを考える。次に映像を再生しながら、テンポやタイミングを意識して練習する。音声の位置は編集で調整できるが、ナレーションが映像より長くなっていないかは練習時点で確認する。声のトーンは動画の雰囲気に合わせる。自分の声は分かりづらいので、一度録って聴いたり第三者の意見を聞いたりするとよい。「この雰囲気にしたい」という参考動画があると、目指すトーンやテンポをイメージしやすい。録音は物音のない静かな場所で行う。生活音が入るとノイズになり聞き取りづらくなる。録音はボイスレコーダーでもスマホ・PCアプリでもよく、iPhoneなら標準の「ボイスメモ」で十分だ。手持ちだと音量にばらつきが出るので、机などに置いて固定し、口からマイクまで15〜20cmにすると声をきれいに拾いやすい。一度に全部録ろうとせず、一文ずつ区切って、納得いくまで録り直す。

機械音声を使う

2つ目は、テキストを音声合成ソフトに読み上げさせる方法だ。自分で録るのと違い録り直しが不要なので、操作さえ覚えれば短時間でナレーションを用意できる。機械音声は淡々としたイメージを持つ人もいるが、最近のソフトは性能が上がり、滑らかで高品質な音声を作れる。読み上げに自信がない人、ソフト操作に抵抗がない人、今後何度もナレーションが必要な人に向く。原稿は同様に用意し、ソフトで読み上げる。ビジネスで使い勝手のよいものを2つ挙げる。VOICEVOXは無料で商用利用可、20種類以上のキャラクターから声質を選べ、音程グラフでイントネーションや速度・抑揚を細かく調整できる。クレジット記載が必要なので利用規約を必ず確認する。VoicePeakは有料で、最新のAI音声合成を搭載し、テキスト入力だけで違和感の少ない音声を作れる。速度やピッチに加え、幸せ・楽しみ・怒り・悲しみの4パラメータでニュアンスを変えられ、体験版で目指す音が録れそうか試せる。

プロに依頼する

最後は、声優やナレーション制作会社、クラウドソーシングに依頼して収録してもらう方法だ。ナレーターや収録時間によって費用は高くなることもあるが、質の高いナレーションを求めるなら最適だ。サイト掲載のPR動画や説明会など長く使う動画を作りたい人、ブランドイメージを的確に表現できるナレーターを探している人、費用やスケジュールに余裕がある人に向く。

まず声のイメージを固める。一般に高い声はさわやかで明るく、低い声は落ち着いた印象を与える。温かみや親近感なら明るい女性の声でテンポよく、金融や保険のように信頼感を重視するなら落ち着いた低い男性の声、というように動画で与えたい印象から声を考える。制作会社や事務所のサイトにサンプルボイスがあれば事前に確認する。原稿は読み間違い防止のため漢字にルビをふり、商品名などの固有名詞は読み方やイントネーションが伝わるよう、正しい読みをボイスメモで補足しておくと安心だ。そして見積もりと納期を確認する。声優事務所やナレーション制作会社は、候補のナレーターを複数提案してもらって選ぶ形で、納期に余裕があり細かい要望を出したい場合に向き、手配の負担も少なく収録後の修正から納品まで一括対応してもらえる。クラウドソーシングは個人への発注なので費用はナレーター分のみとコストを抑えやすく、クオリティよりスピードと金額を重視したい場合に向くが、品質は個人の技量に左右され、納得いかなければ探し直す手間も出うる。見積もり時に動画・原稿・声のイメージ・仮ナレーションが必要なこともあるので事前に確認し、金額・納期・キャスティングに問題がなければ正式発注する。最後に収録した音声を動画に足し、編集しながら何度も再生してタイミングが映像と合っているか確認する。

どんな状況のユーザーにも届ける

映像だけでも動画は成り立つので、ナレーションを足すのは手間に感じるかもしれない。だが「タイムパフォーマンス(タイパ)」という言葉も生まれ、効率的に時間を使うために「ながら見」するユーザーは増えていて、ある調査では若年層の「ながら見」は約8割にのぼる。どんな状況のユーザーにも情報を届けられるよう、ナレーションを入れるかどうかを検討したい。

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