YouTubeやTikTokなど動画前提のサービスの需要が高まるなか、動画広告を配信する人や検討する人も多い。一方で、必要な動画クリエイティブの用意に「時間や手間がかかりそう」という声も聞く。テキストや静止画より手間はかかるが、最近は短時間・低コストで編集できるツールや制作会社のプランが増え、選択肢は一気に広がった。
本稿は「動画広告のクリエイティブを自分で作りたい」人向けだ。編集は最も重要な工程で、映像や音声の素材を整理し、どの部分をどんな順で使うかでクオリティが決まる。ただソフトによって機能が違い選ぶのが難しいので、選び方4つと、媒体別に向くツールという観点を含めた14本を紹介する。記載内容は2022年12月時点のものだ。
選ぶ4つのポイント
目的に適した機能があるか。作りたい動画によって必要な機能は変わる。SNSの短尺に高度なソフトを使うと、機能が豊富すぎて使いにくいこともあるので、目的に何が必要かを考える。利用環境に対応しているか。対応OSやスペックを確認する。目的によってはスマホ編集で十分だが、エフェクトを盛り込む高度な編集にはメモリやストレージの揃ったPCが要る。費用はどのくらいか。無料ソフトは機能が限定されるぶん動作が軽い。必要なクオリティと編集者のスキルを踏まえ、有料にすべきか無料で足りるか決める。有料では録音録画、DVD・BD出力、音声波形表示、キャプション、チャプター管理などが使え、無料版や試用期間で比較できるものも多い。利用者がどのくらいいるか。初心者は知名度が高くユーザーの多いソフトが安心だ。口コミやノウハウ、解決方法が見つけやすく、利用者の多いソフトはアップデートも多い傾向がある。
媒体提供の無料ツール【初心者向け】
各媒体は、テンプレートやステッカーを選ぶだけで媒体に適した広告を作れる無料ツールを提供している。編集経験のない初心者でも安心だ。
Video creation in Google Adsは、静止画を組み合わせてYouTube動画広告を作る無料ツールで、マーケ目標別のテンプレートとリッチで滑らかな動きがあり、YouTubeへ直接アップできる。Facebook動画編集ツールは、Meta広告マネージャから、ロゴ・背景・テキストオーバーレイを使ってテンプレートで動画広告を制作・入稿できる。LINE Creative Labは、400種類以上の静止画と70種類以上の動画テンプレートに、素材をアップしテキストを設定するだけでLINE広告用クリエイティブを作れ、操作もシンプルだ。TikTokクリエイティブツールキットは、TikTok広告の管理画面から縦型動画を作れ、広告アカウントがあれば無料で、BGM・字幕・トリミングなど基本編集に対応する。
あらゆる媒体に使えるスタンダードな編集ソフト【初〜中級者向け】
PowerDirectorは日本で一番売れている編集ソフトで、毎月追加されるテンプレートやタイトルで初心者でも高クオリティに作れ、多くのプロ向けより安く、WindowsとMac対応、年間プランで月706円ほど、無料体験版もある。Premiere ProはAdobeの編集ソフトで動画クリエイターの標準。初心者でも感覚的に使え、プロも満足する機能が揃い、無料体験版からCreative Cloudコンプリートプランまであり、年間プランで月2,728円ほど。iMovieはAppleのmacOS/iOS特化の無料ソフトで、分かりやすいレイアウトとガイド付き編集、Mac・iPhone間で連携できるが、テンプレートや文字装飾は限定的だ。InShotはiPhone/Androidの無料アプリで、縦画面のまま編集してInstagramやYouTubeへ直接アップでき、トリミング・トランジション・速度・音楽・フィルター・テキストを備える。Canvaは動画も画像も作れ、無料でも800種類以上の動画テンプレートとスマホ編集に対応し、世界で6,000万人以上が利用、有料版は約12,000円から。RICHKAはリチカ提供のブラウザ編集ソフトで、OSやスペックを選ばず、マーケ特化の1,400種類以上のフォーマットに素材とテキストをはめるだけで作れ、法人で体制を整えたい場合に向く。LetroStudioはアライドアーキテクツ提供で、800種類以上のテンプレートと300種以上のスタンプ、専任コンサルのサポートがあり、法人での導入に向く。Final Cut ProはAppleのMac専用ソフトで処理が速く機能性が高く、直感的にタイトルやテロップ、効果音をつけられ、チュートリアルも豊富。サブスクでなく買い切りで48,800円、90日間の無料体験がある。
魅力的な演出ができるプロ向けソフト【上級者向け】
After EffectsはAdobeのプロ向けソフトで、動画から不要なオブジェクトを削除・追加したり、ロゴやキャラクターを動かしてアニメにできる。編集と合成が得意でエフェクトが豊富、3D・アニメ・モーショングラフィックスに向き、年間プランで月2,728円ほど。DaVinci ResolveはオーストラリアのBlackmagic Design提供で、機能はAfter Effectsに近いがカラーグレーディング(色彩補正)が得意だ。無料版は4Kまで、有料版は最大32K画質に対応し、買い切りで47,980円、超高画質処理には高スペックPCが要る。
目的に応じて使い分け、まずは無料から
運用型広告はスピードが求められるので、自分で動画を作るスキルは役立つ。見てきたように、縦型特化のアプリから高品質編集向けまで特色があり、1つのソフトで全部こなそうとせず、目的に応じて使い分けるのが効率的だ。初心者はまず媒体提供の無料ツールや有料ソフトの無料トライアルを触り、要領を掴んで表現の幅を広げたくなったら、多機能な有料ソフトを使ってみるとよい。






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