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November 10, 2025

コネクテッドTV(CTV)広告の、今後のチャンスと課題

若い世代を中心に「テレビ離れ」が進む一方、コネクテッドTV(CTV)の視聴者数は世界的に増え、デジタル広告チャネルとしても注目されています。広告チャネルとしてのCTVに焦点を当て、急成長する予算と広いリーチ、複雑なメディアバイイング、アトリビューションやビューアビリティの課題、そして大手の動きまでを整理します。

若い世代を中心に「テレビ離れ」が進む一方で、コネクテッドTV(CTV)の視聴者数は世界的に右肩上がりだ。CTVはインターネットに接続されたテレビでの動画コンテンツを指し、スマートテレビだけでなくApple TVやゲーム機などのデバイス経由でも視聴され、近年はデジタル広告のチャネルとしても話題を集めている。本稿では広告チャネルとしてのCTVに焦点を当て、今後のチャンスと課題を整理する。

広告媒体としてのCTV

CTVは広告チャネルとして大きく成長し、以前にも増して注目されている。割かれる広告予算の推移を見ると、このチャネルへの投資が進む傾向がある。デジタル広告を専門とする市場調査会社eMarketerによると、CTV広告予算は2019年の34億4,000万米ドルから2021年には102億9,000万米ドルに拡大し、プログラマティック広告予算におけるCTVのシェアもこの間に倍増して現在は10%前後だ。これは、CTVが幅広い業種の広告主にとって、ますます魅力的なチャネルになっていることを示している。

幅広いリーチ

CTV広告の利点の一つはリーチの広さだ。エンターテインメントメディアを専門とする市場調査会社Leichtman Research Groupの調査では、米国は約8割の世帯がCTV対応機器を所有している。日本も概ね同様の傾向で、約3分の1がインターネット接続可能なテレビを所有し、その傾向は年々強まっている。特に若い世代を中心にCTV視聴が拡大していることを踏まえると、この層にテレビ経由でリーチするのに適している。

最初のハードルは高いが、効率は良好

CTVのメディアバイイングはやや複雑で多層的だ。インターネット対応テレビやAmazon Fire TVなどのデバイスから、ストリーミングアプリやプログラマティック広告プラットフォームまで在庫の選択肢が多く、相性の良いポートフォリオを作るのは比較的ハードルが高い。ただ、CTV専門のマネタイズプラットフォームThe ViewPointは、競争の激しさが時にCPMの低下につながる可能性を示唆している。加えて、従来のTV広告より精度の高いターゲティングができる点は、費用対効果でCTV広告の魅力の一つだ。そのためか、従来のテレビ広告からCTVへ一部の予算シフトも進んでいる。

データ活用への期待

従来のテレビ広告は成果を正しく測るのが難しいが、CTV広告はデジタルなので、リーチ・インプレッション・視聴率などの指標を把握しやすく、キャンペーンの効果を数値化できる。ただCTVのエコシステムは多くのプロバイダーやサービスで構成されるため、アトリビューションの精度にはまだ課題がある。デバイスの電源を切った状態でもCTV広告のインプレッションが発生した例があるなど、ビューアビリティにも改善の余地がある。CTVは広告媒体としてまだ比較的新しく、信頼性の高いレポーティングのために、いずれ統合的なソリューションが主流になっていくだろう。

ユーザー体験——課題とチャンス

ユーザーがCTV広告にどう反応するかは、まだ賛否両論が目立つ。米国の広告・メディア業界誌Ad Ageの調査では、対象者の約8割が「同じ広告を何度も見せられる」「広告のタイミングに不満」と回答し、広告中にネットサーフィンなど別の行動に移る人も多く、CTV広告が従来のテレビ広告とよく似た問題と戦っていることを示している。一方で、約半数はCTV広告へのエンゲージメントに抵抗がないと答え、約3分の1は表示された商品の購入意欲を示した。デバイスメーカーや広告プラットフォーム、パブリッシャーには、ユーザー体験をより快適にするソリューションが求められている。

今後のイノベーションに期待

今後のCTV分野のイノベーションは、デジタル広告ビジネスの大手プレーヤーが牽引する可能性がある。GoogleはすでにCTVを優先テーマに掲げ、Amazonもほぼ同時期に、動画視聴中にスムーズに購入できる新しい広告フォーマットを提供していた。理想を言えば、CTV広告は従来のテレビ広告の視覚的な利点と、デジタル広告フォーマットのデータ活用の利便性を組み合わせられる媒体になりうる。それが現実になるにはまだ時間がかかる。だが、CTVはすでに非常に興味深いトピックで、多くの広告主にとって近い将来のロードマップに載せる価値がある。

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