動画広告に踏み出せない、その理由
YouTube広告、Meta広告、TikTok広告をはじめ、動画広告はすっかり主流になりました。それでも、なかなか動画メニューに挑戦できていないチームは少なくありません。理由はたいてい二つです。動画を作るとなると何から手を付ければいいか分からないこと、そして制作のリソースや予算がないことです。
この記事では、そんな人に向けて、広告運用者でも簡単に、しかも無料で動画を作れる方法を紹介します。ツールはいくつも考えられますが、ここでは無料から使えるCanvaを例に解説していきます。すでに手元にある静止画素材を起点にすれば、ゼロから撮影するよりずっと現実的に動画へ踏み出せます。
静止画素材から動画を作る3つの方法
方法1|静止画をアニメートして動画にする
最もシンプルなのは、静止画クリエイティブをそのまま動画化する方法です。静止画に動きが加わるだけで視認性が上がり、成果の向上が期待できます。Canvaなら、クリエイティブを選んで「アニメート」を選択するだけ。画面左に表示されるアニメーション一覧から、デザインに合うものを選べば動画になります。
ポイントは秒数の調整です。動きが速すぎて文字を追えない場合は、再生秒数を伸ばせば解消できます。一般に、1秒で視認できる文字量は10〜15文字程度といわれます。デフォルトは5秒ですが、静止画内の文字数に合わせて任意の秒数に設定し直すのがおすすめです。
方法2|カルーセル広告をスライドショーにする
成果の良いカルーセル広告があるなら、それを動画化することでリーチがさらに広がることがあります。方法1のアニメーション機能でも動画にできますが、スライドショー形式を作るならトランジション機能が便利です。カルーセルの素材をCanvaにアップロードし、クリエイティブとクリエイティブの間にある矢印をクリックして、トランジション「スライド」を左向きで追加していくと、スライドショー形式の動画が完成します。
慣れていなくても、素材さえあれば長く見積もっても15分ほど、一度型を作れば2回目以降は5分ほどで1本作れます。制作のコツはただ一つ、動画の秒数を「1スライドが読める秒数」に設定すること。ここでも目安は1秒10〜15文字です。実際、Meta広告で「1枚3秒で切り替わる動画」と「画像の情報量に応じて秒数を変えた動画」をテストしたところ、後者のほうが配信量もコンバージョンも多く発生しました。ぜひ試してみてください。
方法3|正方形素材に余白を足して縦型にする
Instagramのストーリーズ・リール、TikTok広告、LINE VOOMなど、スマートフォンでの視聴が中心の配信面では、やはり縦型動画があると成果が伸びやすくなります。とはいえ、素材に文字を載せて縦型へ加工するのは慣れないと難しいもの。そこでおすすめなのが、正方形の静止画の上下に余白を付けて縦型動画にする方法です。
Canvaのホーム画面から縦型テンプレートを選び、正方形サイズの動画をアップロードして中心に配置します。あとは背景色を設定するだけで、縦型動画がすぐに完成します。「アプリ」から背景メニューを追加してさまざまな背景を試すのもよいでしょう。背景が変わるだけでクリエイティブの印象は大きく変わります。余白が気になる場合は静止画素材を足したり、会社やサービスのロゴ、コールトゥアクションを置いたりすると、成果改善につながることもあります。
成果が伸びないときは「音」を足す
ここまでの方法で動画化しても成果がいまひとつなら、「音」を加えるのが有効です。とくに情報量が多く、視覚的に文字を読む負荷が高いクリエイティブでは、ナレーションを足すことで伝えられる情報量が増え、成果が改善することがあります。
ナレーションは自分で吹き込むこともできますが、近年は自動音声ツールも充実してきました。代表的なものを挙げておきます。
ツール料金の目安特徴AITalk 声の職人50,000円/月〜人間に近いナチュラルな音声。喜怒哀楽や抑揚まで細かく調整できるVOICEVOX無料規約を守れば商用・非商用とも利用可。イントネーションの詳細調整が可能VOICEPEAK23,800円〜男女6種類の声。VOICEVOXよりナチュラルに話せるのが特徴
あわせて、BGMや効果音を入れるのも効果的です。音は映像の印象を底上げし、視聴体験を引き締めてくれます。
まとめ——蓄積したデータを足がかりに
ここまで、広告運用者でも静止画から簡単に動画クリエイティブを作る方法を紹介してきました。何から着手すべきか分からず、動画広告に踏み切れない——そう感じる人は多いはずです。
けれど、まずは成果の出ている静止画を動画にするだけで、成果の拡大や次の打ち手が見えてきます。そこで手応えのあった動画をもとに、本格的な制作へ進めばいい。ゼロからいきなり始めると大変ですが、これまで蓄積したデータを足がかりに段階を踏んでいけば、動画広告は決して難しい挑戦ではありません。







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